東京天竺とは、文化学院小説ゼミの有志で始めた同人誌。小説やエッセイ、漫画などを掲載。詳しくはカテゴリ『東京天竺1号』『東京天竺2号』ご覧下さい。


by tokyo_tenjiku

第7回突撃!隣のフェティシズム/『はみだしているものたち』

『はみだしているものたち』古澤ひかり



ちいさな畑のわきにぽつんと佇む、無人の野菜売り小屋。街かどの曲がりかどのとびだし注意!の看板の、とびだしぼうやのとびだしっぷり。だあれもいない真っ昼間の通学路にのびる自らの影が自らについてくる、どこまでもどこまでもついてくる。
そんなようなものをふと目にするとき、ここにいるようでここにいないような妙なトリップ感をおぼえます。

日常にいてときおり垣間見る非日常が、わたしはすきみたいです。
それらはなんだか、はみだしています。

ひとでもそうです。はみだし素質をもっているひとは出会いがしらでびびっときます。たいがいは、目を合わさなかったり、なぜだかもじもじしていたり、どちらかというとしとやかで(端的にいえば暗い)、挙動が不振であったり、そうかといえば突出した知識をもっていたり、腹の底に哲学を携えていたり、などなど。世間一般のかたちにおさまれず、はみだしてしまうひとびと。わたしはずずいとひきよせられてしまいます。
それらはみだし族はすばらしく興味深く、おもしろいひとたちです。

そんなわたしは音楽をわりかし幅広く好んで聴きますが、はみだし系ですと、阿部薫のサックス、石橋英子のピアノ、日比谷カタンのギター(まだまだすごいひとはたくさんいるだろうけども取り急ぎ)など、生の楽器による気狂った音がやはりすきです。
ぎゃばーん、と脳細胞にきます。
いっぺんに、ここじゃないどこかとおーくへ連れていってくれるのです。

けして「ここ」が気に入っていないわけではないのですよ。平凡々な日々の暮らしだってじゅうぶんに愉しいのです。普段のわたしはなるたけ普段ぽく、はみださないよう、はみださないように用心しながらひっそりと生きています。

日常にいてときおり垣間見る非日常に、焦がれながら。
それらはきっと、きょうもどこかではみだしていることでしょう。




いかがでしたでしょうか。はみだしているものたちを捉える古澤さんの視点や文章を読んでいたら、最初”わかるわかる”と共感していた私でしたが、言葉を追っているうちに、迷いこんでいるようなそしてぽつんと一人で立っているような、そんなどこかへのトリップ感を覚えました。以前にもお知らせしましたが、古澤さんはシンガーソングライターでして、ちょっと気になるわぁという方いましたら、リンクにHPを追加しましたので、ぜひ飛んでちゃって下さい!(My Spaceはこちら)さて、次のゲスト紹介。

「次回は愛らしくも妄想はなはだしい、可憐な乙女、藤堂美香さんです。
ぽぅとしているようで鋭い感覚の持ち主、みんな大好きわれらが藤堂ちゃん。
乞うご期待!」

次回更新日は、6月4日!藤堂さんのブログもリンクに追加いたしましたので、ぜひご覧下さい!ではではまた、再来週〜。


なお、引き続きお買い上げいただいた方からtokyo_tenjiku@excite.co.jpへのご連絡をお待ちしております。こちらをご覧下さい。
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by tokyo_tenjiku | 2010-05-21 21:35 | 突撃!隣のフェティシズム