東京天竺とは、文化学院小説ゼミの有志で始めた同人誌。小説やエッセイ、漫画などを掲載。詳しくはカテゴリ『東京天竺1号』『東京天竺2号』ご覧下さい。


by tokyo_tenjiku

第8回突撃!隣のフェティシズム/『深夜の営み』

『深夜の営み』藤堂美香




夜。風呂に入り、肌や髪の手入れも終えて、ストレッチなどもして。
 そうやってひと心地ついた、一日の終わりにひとりで過ごす時間。私はそれに手を伸ばす。
 明日は休みだったりすると、心置きなくそれに没頭することができる。まぁ次の日に仕事があったとしても結局、我慢ができずそれに手を伸ばしてしまうのだが。
 部屋には私だけ。何も邪魔するものはない、私的なひそやかなこの時間。
 そっとそれに触れ、その世界を紐解く。
 灯りは付けたまま。それのすべてを隅々まで理解したいから。
 それは、私にあらゆることを教えてくれた。私自身、こんなにも沢山の感覚が眠っていることを知らなかった。
 それに触れてそれが織りなすめくるめく世界に沈み込むことで、私は喜び悲しみ憤り、悶え苦しみ、そして楽しむ術を知った。
 水が滴るような空気のにおいも、耳に囁きかける秘密の言葉も、ぬるく纏わりつく皮膚の感覚も、流れ落ちるように与えられた幻覚も、思わず零れ落ちた声も。
 それが私に与えてくれたものは、心地よく私の内を潤した。

 「それ」とは、物語と言う名の文字の羅列。
 
 お天道様の下で語るのはちょっと憚られるような文章。というのを書いてみたかったのですが、やっぱり無理でした。
 フェチ。という言葉は、背徳的で恥ずかしくて、深夜に密かにひとりきりで楽しむべき物事のような気がするので、このような無謀な行為に走ってみたわけですが。誰か文才を分けてください。
 私自身、フェチ。というほど固執したい出来事と言うのはあまりなくて。
 しいて言うならば、活字フェチかな?いや中毒だな。
 フェチ、とは。
 萌え。とは違う、暗い衝動。と言うべき感情、なのだろうか。
 閉塞的なその感情は、虚構の中での出来事ならば個人的には結構好きなのですが、現実的に目の前に見せ付けられたら、ちょっときもいな。というのが本音です。
 でもまぁ、声が好き☆とか、手の大きな人に悶える☆とか、黒髪の乙女がたまらないぜ☆とか言う程度ならば可愛い気もしなくもない。



いかがでしたでしょうか。
実は、藤堂さんの原稿を頂くのは2回目なんです。とても素敵な文章を、フェティシズムを書いて下さったのに、ある事情で載せることができず…。また違う機会に頂いた原稿を載せられたらなぁと思っています。すごく素敵なんですよ、ため息でる位、緻密で。今回「物語」について書かれていた藤堂さんですが、ブログをやっておりまして、そこで藤堂さんの活字中毒っぷりを垣間見れると思います。良かったら、見てみて下さいね。(ミカブログ

さて、次回のゲストは長田麻実子さん。どんな方か藤堂さんに伺ったところ…

「小さくて可愛らしい印象の女子。
ちょっと可愛らしい悪戯をたくらむような笑顔が似合う、乙女な女子。
大人のしゃんと筋が通ったところも持ち合わせているという、素敵な女子。
どんなフェティシズムを語ってくれるか楽しみです。」

というわけで、とにかく素敵な女子らしい!次回更新日は6月18日です。お楽しみに〜。
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by tokyo_tenjiku | 2010-06-04 11:09 | 突撃!隣のフェティシズム