東京天竺とは、文化学院小説ゼミの有志で始めた同人誌。小説やエッセイ、漫画などを掲載。詳しくはカテゴリ『東京天竺1号』『東京天竺2号』ご覧下さい。


by tokyo_tenjiku

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バンド臨終図巻感想文

 こんにちは。
 高橋です。
 最初にお詫びを。
 先日更新したとき、バンド臨終図巻の著者に大山くまおさん、成松哲さんのお名前をお書きしていませんでした。心よりお詫び申し上げます。 


 なんとまー、面白かったです。臨終図巻トークイベント!
 僕の感想はMOREをクリック。

 当日、会場入り口には長嶋先生の著作物にあわせて、われらが「東京天竺第二号」も平積みに!
 持っていきましたPOPをお渡しすると、なんだかより立派に見えるじゃないですか!

 嬉しかったであります。
 ご協力いただきましたオリオン書房さんの白川さん、ならびにオリオン書房さん、大変ありがとうございました。

 なんと会場にはプライベートでいらしていた歌人の枡野浩一さんが! しかも東京天竺を買ってくださったのです! 思わず声をかけてしまいました。ショートソング最高っす! と興奮してしまった。

 当日、お買い求めいただききましたお客様、ならびにご協力いただいた皆様、重ね重ねお礼申し上げます!

 なお引き続き、立川オリオン書房ノルテ店で東京天竺は発売中です!!

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by tokyo_tenjiku | 2010-05-31 17:08 | 雑記

勝手ロックNO.28(甲)

「告知とおすすめ」

 こんばんワンダフル。
 高橋です。
 わー。

 イベントの告知を。
 今週30日、オリオン書房ノルテ店にて、
 『バンド臨終図巻』(速水健朗/円堂都司昭/栗原裕一郎/大山くまお/成松哲 共著 河出書房新社)刊行記念トークイベント
 「納棺GIG at 立川2010」  2010年5月30日(日)
 START++4:00pm.(OPEN+3:30pm.)
 オリオン書房ノルテ店ラウンジにて
 500yen

 が、行われます。著者であるお二人に加えて、さらに、ゲストに
 わられが東京天竺第二号におきまして、
 多大なるご協力を頂いた(桜井秀俊インタビューにご同席&色気のアンケートご寄稿&後書きご寄稿&スーパーバイザー&エトセトラー)
 長嶋有先生が、
 いらっしゃいます。

 おもしろトーク炸裂間違いなし。興味がある方いらっしゃいましたら詳しくわオリオン書房ノルテ店にて電話、メールでご予約受付中ですって!

 トークも楽しみ、バンド臨終図巻をお買い求めいただいたついてでに、東京天竺二号も、一緒に買ってー。
 力を貸していただいているオリオンさんに感謝です。

 さて、告知を言い終わったら、何話そうかな……。

 来週はBUMP OF CHICKENの楽曲を小説にします。

 なお、引き続きお買い上げいただいた方からtokyo_tenjiku@excite.co.jpへのご連絡をお待ちしております。こちらをご覧下さい。

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by tokyo_tenjiku | 2010-05-26 23:11 | 勝手にロックンロール
『はみだしているものたち』古澤ひかり

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by tokyo_tenjiku | 2010-05-21 21:35 | 突撃!隣のフェティシズム
「捨てられたのは炎たち」

 人間が息をしていた星も廃墟となって76年、宇宙では四種類の人種が作られ、差別を嘆いたキング牧師も遙か昔、宇宙船に人種別の座席を作ろうという特定多数への横暴極まりない謀略も見え隠れする現在、最たる深淵の苦痛に悩まされているのは、財産もなく生まれも育ちも荒廃した母星であった最下層人種以外にいないだろう。
 というのも、まるで古代のカーストヒエラルキー、あるいはかつてのアパルトヘイトを模倣するかのように人間には見えない地位ピラミッドが確立し、優劣を強いられ、文字通り人種別に隔離が発生し、高潔富裕高等人種バラハンは火星の機械都市に移住し、金星にはクシャトリエンスと名乗る貴族たちが、月には平民であるバシャテクスがそれぞれあらん限りの科学技術を用いて空のない箱の中で生活を始め、全ての資源が二つの惑星と一つの衛星へと使い果たされた結果、名も忘れられた惑星に大地と共に取り残された人種シュードロイドが必然的に最下層人種となったからである。
 ……だが歴史は繰り返すと謳われるように惑星別階級制度にも不可触民は存在し、本当の意味での最下層は彼らであった。グルアと名付けられた彼らは、同時に最大の不幸を背負っている。

 上層人種の全てがそこに永住する気などなく、一時的なもの、やがて第二の地球が見つかる、と根拠のない希望、希望というよりはむしろ願望に近いものを思い描くことでやり過ごしている。
 
 革命はたいてい、社会がやり過ごそうとしたときに起こる。
 仏陀がかつて身分制度に嘆き悟りを啓いたように、新暦76年(人種が惑星に散り散りになった時点で、暦も最下層惑星にのみ残存する概念なのだが)、救世主が現れる。
 救世主はグルアの一人だった。彼は地下の図書館で生まれた。
 彼が生を受けた場所が安定した秩序、社会の基に成り立っていたのなら運命も違ったであろう。
 終焉した世界で彼は誰よりも知識に貪欲であった。干からびた百科事典からもうどこにも生えていないセイタカアワダチソウに思いを馳せ、ソクラテスに憧れ「無知の知」を自覚し、芸術に触れると岩佐又兵衛に恋をした。
 彼は他の人種が見捨てた全てのものをあらゆる角度から自分の物にしようと試みた。養分として取り入れようとしたものは知識だけではなく、見捨てられた人間たちも例外でなかった。最初は小さな徒党に過ぎなかった集会も、瞬く間に組織となり、組織は新しい秩序、社会をも成立させた。
 同じグルア人種、さらにはシュードロイドまでも虜にさせた理由は、彼の思考力や博学な話術だけではなく、彼が最年長であったからということも一因であった。人種も超えた一つの家族のようなコミュニティにおいて、彼は他の者たちの望む、理想の大黒柱と言うべき存在としてもなりえたのだ。
 
 やがて、最初の反乱が起こるだろう。
 彼が目につけたのは月に一度、あらゆるものを捨てに来る廃棄船だ。
 決行の日は満場一致で決まる。

 ちょうどその日、彼は十二歳になる。


 なお、引き続きお買い上げいただいた方からtokyo_tenjiku@excite.co.jpへのご連絡をお待ちしております。こちらをご覧下さい。
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by tokyo_tenjiku | 2010-05-19 22:20 | 勝手にロックンロール
「月の居酒屋にて」

「高橋さんは賑やかな人ですね」と言われた。
 彼女と僕は、一時間か二時間前その日、おたがい「はじめまして」と言い合ったばかり。
 賑やか、という言葉を、僕は状況や状態をいう言葉として使っていたので驚いた。
 それで同じ人に、僕の年を言うと「若い」と言われた。
「若い? 何が若い? 僕若い?」
「若いです。なんか若いです」
 その人は僕より、二つ下で、社会人で、澄んだ雰囲気がした。
 なので澄んだ人と呼ぶことにする。
「若いノカー」
 と嬉しいような恥ずかしいような気持ちでビール片手に反芻していたら、
「つまり幼いんですよ」
 と、前に座っていた元気ちゃん(いつも元気な女の子なので安直にそう呼ぶことにする)にぽつりと言われた。
「幼い!」
 ずがーん。漫画のように縦線で落ち込む。
「そう、幼い。幼いのですよ、僕は……」
 澄んだ人が落ち込む僕を慰めているのをよそに、
 僕はいつか電波君とした会話を思いだす。

「大人になりたい」
 と僕は言った。
「なりたいですか?」
 と彼。
「なりたいよ!」
「僕は別になりたくないですね。大人が正しいとは限らないし。なんでなりたいんですか?」
「なんでって……。わからんけどなりたい!」
「自分で理由もわからないならそんなものになる必要なんてないじゃないですか」
「そうねー。……君って子供だよねー」
「ええ。僕は子供です」
 僕と電波君とは平行線なのだ。
 ちなみに電波君というのは、例の電波時計を誇りに思う男の子で、彼の話を友人にした時「ああ、あの電波でしょ?」と名づけてくれたので僕もそう呼ぶことにする(悪口じゃないよ)。

 なんで、大人になりたいんだろう?
 昔は逆だった?

 頭の中で、そんな疑問を、岩を転がすようにゴロゴロさせながら、
 なんとなく話を続けて、
 流れで、
 澄んだ人に、
 僕が小説書いていることをいう。
 また、澄んだ人が僕を言葉で表す。
「ええ! 高橋さん、目指しちゃってる系ですか!?」
 目指しちゃってる系!?
「うんうん、目指しちゃってる系」
「すごいですね」
「いやいや、目指しちゃってる系って、その言葉の方がすごいね……目指しちゃってる系か」
 よくわからない褒め合いをした。

 悪気のない澄んだ人の、僕への、新鮮な驚きになんだか、ぱちくり、する。
 しちゃってる系って、きっと、目指してはいけない、とかいうニュアンスが含まれるはずなのに(だって目指してる系でもいいはず)、傷つくというより納得してしまった。
 
 そうそう。
 僕は同世代が社会人であるにも拘らず、目指しちゃってる系です。
 大人の年齢であるにも拘らず大人になりたいです。

 僕を説明する言葉を考える。
 僕自身さっぱりなので、知りたいのだと思う。
 言われたことを思い出してみる。
「高橋君ほど等身大な子珍しいよね」等身大な人?
「高橋さん、もの知らなすぎですよ」無知な人?
「ほんとお前ダメ」ダメな人?
「なんかさ、なつくよね、君。犬みたい」……てか、人?

 ねぇ、みんなは自分がどんな人かわかってる?
 君はどんな人?
 どんな人を、好きな人?

 
 来週は9mm Parabellum Bullet の楽曲を小説にします。

 なお、引き続きお買い上げいただいた方からtokyo_tenjiku@excite.co.jpへのご連絡をお待ちしております。こちらをご覧下さい。
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by tokyo_tenjiku | 2010-05-12 23:07 | 勝手にロックンロール

お知らせ

東京天竺もTwitter始めました。よろしければ、フォローお願いします!

ちなみに今日のタイトルを”お知らせなう”にしようとしましたが、なにか違う気がしてやめました。正確には、「あごーよね」と以前マツコデラックスさんがつぶやいていた事を思い出します。

書店販売は今の所こちらの5店です。

ジュンク堂新宿店

オリオン書房ノルテ店

東京堂書店

タコシェ

模索舎

お世話になってます!!
本屋さんに行って探してみたけど、見つかりそうにもないし、検索の機械にものってないわ、どーしよーというそこのアナタ!

親切な書店員さんに(おそらくこの世の9割は親切な書店員さんでしょうが)訊いてください。きっとアナタを優しく導いてくれるはずです。ちなみにジュンク堂新宿店は、8階 35 カルチャーの棚にございましたよ。

そんな、書店員さんに尋ねる事すら私のチキンハートが震えるわというアナタには、通信販売があります。

お問い合わせは、お気軽にtokyo_tenjiku@excite.co.jpへどうぞ。

ではでは、今後もよろしくお願いします〜。
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by tokyo_tenjiku | 2010-05-10 23:52 | お知らせ
『ろ過されて美化されて嘘のようになって、消えそうになるもの』新井美希奈

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by tokyo_tenjiku | 2010-05-07 16:26 | 突撃!隣のフェティシズム

勝手ロック NO.26(乙)

「明日の風向きはどうだい?」

 扇形というには少し角度が足りない、半円形というには少し丸みが足りない、蒲鉾の形といえば簡単すぎる、微妙な長さと絶妙な角度をもったトンネルの下を君は歩いていた。トンネルは首都高速の下を貫通させたもので必要以上に高い。
 君は朝、決まってその道を歩く。トンネルを抜けると小学校がある。
 小学校の前を通る。君が子供の頃は黒や赤だけだったランドセルも今では色とりどりで子供の個性がそのまま現れているようだ。
「校舎は笑っている。だのに鶏小屋は泣いている。育てられる場所全て、笑えるようにするにはどうすべきだろう」君はふと考える。
 水溜りのある地面には逆さまに世間が生きている。百年先の猫型ロボットを思い出させる。子供が飛び込むと逆さまの世間は一瞬たじろぎ、慌てて元に戻る。
 飛び込めなくなった君は果たして大人になったのか。

 炎を炎という言葉以外で描写、表現してみる(それは説明ではない)。
 頂点がなく、輪郭線は曖昧で、始まりには色がないのにいつの間にか橙色に染まっている。心地よい視線を送られているのか送っているのか、弱い風で動きだし生命力すら感じるのに、強い風でこの世から消える。
 説明を加えてみる。
 大気の鼓動によって活性化し、だいたいが橙色でかつ不定形、掴もうとすると熱だけが感じられ、痛み、さらには見つめ続けると目を瞑っても残像が残る。
 炎を描写あるいは表現、説明をしてみたところ、太陽に置き換えても何も変わらない。
 昼に、君は汗をかいて太陽に撫でられる。食べる物には困っていないのに、楽しんで食べていないのはどうしてだろう。
 同じような毎日を繰り返し、君には確かに、目を瞑っても消えない残像がある。

 君は夜が来るたび募らせる。
 何畳の部屋で寝ているのかは関係がない。四角い壁に囲まれ、天井を見るか四角い二次元を見るか寝ているかの日々を繰り返し、部屋には君が生きている気配がない。
 今日も帰り道を歩かない。疲れた体で割増タクシーに飛び乗る。深夜帯に愛想の良い運転手はいない。座席にしみこませるように張り付いて倒れる。まるで泥のような体。
「どこへ?」
 三半規管が麻痺して、耳は平衡感覚が鈍くなり代わりに音だけが注ぎ込まれる。信号のたびに加速と減速を繰り返すエンジン音、ぼんやりした頭を持ち上げ、力の入らない腕で体を支えながら窓の外を覗く。高級車販売店のきらびやかな照明がまるで雨のように車内に落ちてくる。
「ここ、右折ですか? 左折ですか?」
 騒がしい雑踏を通過する。人々の呼吸。街路樹の静けさ。閉店したケーキ屋のシャッターが下りる。音と光。空気と気配。夜が来るたび繰り返される営みの全てに君の五感が震えだす。
「ここで、いいんですか?」
 君はどこへ行きたい?
 右に曲がるのか、左に曲がるのか。
 そこでいいのか。

 日ごと感情の塵が降り積もる。
 結果を出すなら早い方がいい。
 いるだけでいい座席には座れない。

 走り出すためのブルースを鳴らすのは、今だ。

なお、引き続きお買い上げいただいた方からtokyo_tenjiku@excite.co.jpへのご連絡をお待ちしております。こちらをご覧下さい。
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by tokyo_tenjiku | 2010-05-05 21:41 | 勝手にロックンロール